阿部登記念 第61回多摩川堤マラソン大会 ボランティア募集
イベント説明
【阿部登紹介】
昭和21年夏、戦地から復員した阿部登は、多摩川を見つめながら「荒廃した国土を再建するには、体力がなければならない」と考えていた。
しかし、すべての物資が不足する時代に、どうやって体を鍛えたらいいか?
「そうだ!マラソンなら靴さえあればやれる、裸足でも走れる」とひらめいた。
翌日から毎日、多摩川堤を走り始めた。走ると同時に、職場や近所の人たちに
「一緒に走りませんか?」
「こんな時代だからこそ、みんなで一緒に走って元気を出しましょう」と呼びかけていった。
しかし、戦後の食糧不足、皆一日中お腹を空かしていた頃、餓死者さえも出ていた時代である。
「走ったら余計に腹が減ってしまう。家で寝ていた方がましだ」
という人ばかりで、誰も相手にしてくれなかった。
当時、川崎市と東京都を結ぶ、現在のガス橋付近には、雑草が生茂っていたが、ひとつ考えが浮かんだ。
その日からひとりで、何日もかけて草刈りをした。
そして、丹念に根を取り、地を耕し、サツマイモ畑を作っていった。
時間をへて、サツマイモが実った頃、再び、近所のみんなに声をかけた。
「走ったあと、ふかしイモをご馳走するから一緒に走ろう!」
この一言で、わずかに一緒に走るひとが来てくれた。
走ったあと、約束通り、サツマイモをふかしてみんなに食べてもらった。
もちろん、すべて無償である。
そのイモが結ぶ「イモづる」はその後、四方八方に伸びていった。
これが、戦後、最古級のランニンググループ誕生の瞬間である。
(「陸上競技多摩川クラブ」として正式な団体誕生は昭和23年)
クラブは急成長し、昭和20年代後半には、メンバーは150名を超え、東京のみならず、関東一縁で、単なる陸上競技を超えた、アマチェアスポーツクラブの代表格と評価されるようになっていった。
走るのが好きで、単にひとりで走るだけなら誰でもできる。
しかし、皆が走る余裕も興味も全くなかった時代。
周囲に声をかけ、断られたら、自分で草刈りをし、耕し、サツマイモ畑を作って、収穫し、ふかし、食べさせてまで、走る仲間をつのるような人物が、現代でもいるだろうか。
「走る素晴らしさ」超えて「みんなで走る素晴らしさ」を、その行動力で示した阿部登。
今回、その偉業を後世に永遠に残すために、阿部登が昭和34年に誕生させた「多摩川堤マラソン大会」に「阿部登記念」を冠として加えた。
生前の阿部登のモットーは
「各人、自分の体力に応じてやること、決してムリをしないように」。
阿部登 2010年10月22日 逝去
資料 1970年(昭和45年)月刊誌「体力作り」4月号
開催日
2023年6月11日 ~ 2023年6月11日23:59
主催者・問い合わせ先
開催場所
項目 | 内容 |
---|---|
場所 | 名称未設定 |
住所 | 神奈川県川崎市幸区 |
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